公益社団法人・電気化学会・溶融塩委員会

溶融塩奨励賞

2023年度溶融塩奨励賞 (第55回溶融塩化学討論会)

2023年11月16日(2023 Joint Symposium on Molten Salts 4日目)に下記の3名の方が、厳正なる審査の結果、溶融塩奨励賞を授与されました。おめでとうございます。

  • 石尾 吉史 氏(京都大学)In-situ Raman spectroscopic analysis of the electrode/electrolyte interface in the sodium secondary battery utilizing FSA- based ionic liquids (P04)
  • 呉 聖安 氏(京都大学)Electrolytes and temperature effects on Na metal deposition/dissolution efficiency for low N/P ratio sodium metal batteries (P05)
  • 後藤 啓太 氏(京都大学)High-Temperature Water Electrolysis Using Molten NaOH$2013KOH$2013H2O System (P059)

溶融塩奨励賞について

平成13年(2001年)第146回溶融塩委員会役員会において、当時の山桝義和副委員長(石川島播磨工業)の提案により平成14年(2002年)から若手溶融塩研究者の活性化を目指して「溶融塩奨励賞」の設置について検討され、第147回溶融塩委員会・役員会において2002年11月開催予定の第34回溶融塩化学討論会から「溶融塩奨励賞」の授与制度が承認されました。溶融塩奨励賞は電気化学会溶融塩委員会により毎年1回開催される溶融塩化学討論会における講演発表に対し、優れた講演を行った若手研究者(40才未満)に対して、原則として各会場1名、合計2名に溶融塩奨励賞が授与されます。選考は、溶融塩委員会役員および当該討論会座長による投票となっています。

2008年開催の第40回溶融塩化学討論会は2008 Joint Symposium on Molten Saltsの共催シンポジウムの1つとして開催されたため、溶融塩奨励賞は、このシンポジウム中での講演・ポスタについて、選出をいたしました。学会の形式、発表の方法に口頭発表とポスター発表があるため、選出者数についても双方の発表形式で、討論会での参加者数を基準として、人数を算出し、7名の受賞者がきめられたものです。(実行委員会申し合わせ事項)

これまでの受賞者

討論会 受賞日 氏名 所属 発表番号 選考の対象
第55回*3 2023.11.16 石尾 吉史 京都大学 P04 In-situ Raman spectroscopic analysis of the electrode/electrolyte interface in the sodium secondary battery utilizing FSA- based ionic liquids
呉 聖安 京都大学 P05 Electrolytes and temperature effects on Na metal deposition/dissolution efficiency for low N/P ratio sodium metal batteries
後藤 啓太 京都大学 P59 High-Temperature Water Electrolysis Using Molten NaOH$2013KOH$2013H2O System
第54回 2022.9.30 布村 順司 UACJ 1A01 イオン液体中でのAl-Cu合金アノードの溶解電位における精製Al純度
茂木 渉 京都大学 1B03 溶融KF$2013KCl$2013K2SiF6中における液体Zn電極を用いた結晶性Si電析:グラファイト基板上に電析で準備したZn膜電極を用いた検討
第53回 2021.11.19 関本 英弘 岩手大学 1A01 LiF 系溶融塩と液体Ce の界面におけるチタン薄膜の生成
Di Wang 京都大学 2B08 An Inorganic Ionic Liquid and β”-Alumina Dual Electrolyte for Sodium-sulfur Batteries Operating at Intermediate Temperature
第52回 2020.11.27 芹澤 信幸 慶應義塾大学 1A07 リチウムイオンを含むアミド系イオン液体中におけるニトロキシラジカルの酸化還元反応
木澤 尭大 北海道大学 1A05 TiCl4含有EmImCl-AlCl3イオン液体中でのパルス電解によって電析したAl-Ti合金の耐孔食性評価
孟 憲鐸 京都大学 2B04 溶融 CsF-CsCl-WO3中で得られる電析 W膜の平滑性および結晶構造に与える浴温の影響
森島 雅詞 同志社大学 2B09 溶融 LiCl-KCl中におけるNi基板上での窒化炭素被覆可能性の検討
第51回 2019.10.25 陳 致堯 産業技術総合研究所 1A08 室温水和物溶融体による長寿命亜鉛空気二次電池
鵜木 亮 京都大学 2B12 共晶 LiF-LiCl 溶融塩中でのチタン電析
第50回 2018.11.15 原口 靖史 北海道大学 2A08 TiO2溶融塩電解還元のその場観察および電気化学測定
佐藤 建志 東北大学 1B11 マルチステップパルス電解によるMoSi2被膜の形成
第49回 2017.12.1 木村 竣一 同志社大学 2A02 溶融LiCl-KCl中でのLa1-xSrxFeO3-δ電極の電気化学挙動
竹内 孝 京都大学 1B13 Na+のみをカチオン種として含むNa電池用イオン液体電解質の開発
第48回 2016.11.25 法川 勇太郎 京都大学 1A04 易水溶性KF-KCl溶融塩中におけるTi(Ⅲ)イオンからの金属チタン電析
石井 良樹 新潟大学 1B02 アルミノケイ酸塩ガラスの架橋構造のアルカリ/アルカリ土類金属イオン依存性
第47回 2015.10.29 神吉 恭平 神戸大学 2A02 炭酸塩/ケイ酸塩コンポジットの二酸化炭素吸収挙動と固相表面活性化による反応促進
本多 しおり 北海道大学 1B03 密度の異なる炭素質カソードを用いたAl-Cl2燃料電池の出力特性
第46回 2014.11.14 竹田 修 東北大学 1A14 溶融塩電解を用いた珪化モリブデン対酸化皮膜の形成
杉山 啓太 東北大学 1B03 溶融塩電解による炭素電極へのSiCの形成
第45回 2013.11.21 大窪 貴洋 千葉大学 1A02 第一原理分子動力学法によるボルン電荷解析
夏井 俊悟 北海道大学 1A07 3次元マルチフェイズ型粒子法による溶融塩の流れの数値解析
島尾 武征 京都大学 1B08 溶融CaCl2中における液体亜鉛電極の電気化学的挙動
第44回*2 2012.9.24 Zhongning Shi Northeastern University PS7 Liquidus Temperature of LiF-LiCl-Li2O Melts
阪井 祐子 北海道大学 PS27 Formation of Ag Alloy Particles in the Glass by Ion Exchange Treatment in Molten Salt
髙栁 亮介 関西大学 PS33 Condition of Metal Fog Formation in LiCl-KCl Melt and Its Prevention by Li2O Addition
Tziyi Wu National Yunlin University of Science and Technology PS41 Electrochemical Characterizations of Cyclic Ammonium Based Ionic Liquids with Allyl Substituents
第43回 2011.11.22 江口健一郎 (株)白石中央研究所 1A09 炭酸カルシウムナノ粒子生成過程のその場観察
及川和彦 同志社大 1A04 溶融フッ化物におけるニッケルフェライトを用いた酸素発生反応
鈴木賢紀 大阪大学 1B08 Quasi-chemical Viscosity Model を用いた多成分系溶融スラグにおける粘性の高精度予測
第42回 2010.9.9 大竹広野 北海道大学 1A08 溶融塩電解によるCO2ガスからの炭素生成
吉井一記 大阪大学 2A08 室温イオン液体$2212マグネトロンスパッタリング法を用いて調製した金属ナノ粒子
栗明明 東北大学 2B12 溶融LiCl-KCl中でのLiOHの電解
第41回 2009.11.19 松本一彦 京都大学大学院エネルギー科学研究科 1A03 PO2F2系イオン液体の電解質としての性質
小西宏和 大阪大学大学院工学研究科 1B08 電気化学印プランテーション/ディスプランテーションを利用した希土類金属分離・回収プロセスの初期検討
津田哲哉 大阪大学大学院工学研究科 2A01 室温溶融塩を用いた電気化学アクチュエーターの作製とその動作原理の解明
大崎省吾 北海道大学大学院工学研究科 2B13 CaCl2浴中でのCa還元によるTi-29Nb-13Ta-4.6Zr合金の直接合成
第40回*1 2008.10.23 Christian SIMON University Pierre & Marie Curie 1C143 Virtual pH-paper: a Method to Predict Hammet Acidity of Liquids from ab initio Molecular Dynamics
小野新平 (財)電力中央研究所材料科学研究所 3B170 Low-power and Fast-switching Organic Field-effect Transistors with Ionic Liquids
関 志朗 (財)電力中央研究所 材料科学研究所 4C112 Electrochemical Compatibility of Room-Temperature Ionic Liquid Electrolytes and Carbon-type Electrodes for High-Safety Lithium-ion Secondary Batteries
橋詰二郎 北海道大学大学院工学研究科 1P008 Solubility of CO2 Gas in the Molten CaO-CaCl2
右田 翼 慶應義塾大学大学大学院理工学研究科 1P024 Thermoelectromotive Force of Some Redox Couples in an Imide-type Room-temperature Ionic Liquid
Michal KORENKO Institute of Inorganic Chemistry
Slovak Academy of Sciences
1P054 Quadrate Nanotubes Made from Deeply under Cooled Cryolyte-Alumina Melts
伊藤 輝 京都大学大学院工学研究科 1P065 Cu-Sn Alloy Metallization of Polymer Substrate through Reduction-Diffusion Method Using Ionic Liquid Bath at Medium-Low Temperatures
第39回 2007.11.30 中田義人 京都大学大学院エネルギー科学研究科 1B09 イオン液体$2014水二相系の熱特性
助永壮平 九州大学大学院工学研究院 2A10 RE-Mg-Si-O-N(RE=Y, Gd, Nd and La)系融体の粘度と構造
第38回 2006.11.29 小林篤志 同志社大学大学院工学研究科 1B06 溶融NH4F・2HF浴中におけるダイヤモンドの陽極特性
安田幸司 京都大学大学院エネルギー科学研究科 2A04 溶融CaCl2中における固体SiO2直接電解還元反応-電位-pO2-図を用いた反応メカニズムの検討-
第37回 2005.11.25 平井信充 大阪大学大学院工学研究科 2A04 1-アルキル-3-メチルイミダゾリウム系常温溶融塩中におけるAu(100)単結晶表面のEC-AFM観察
内藤豪是 京都大学大学院エネルギー科学研究科 2B05 溶融塩化カルシウム電解によるTiCl4の還元
第36回 2004.11.26 島野 哲 横浜国立大学大学院工学研究院 2B05 溶融硫酸塩/炭酸塩中における一酸化炭素のレドックス燃焼
後藤琢也 京都大学大学院エネルギー科学研究科 1A09 Si系環境半導体薄膜の電気化学的手法による新規な形成法
第35回 2003.11.14 高瀬桂一 新潟大学大学院自然科学研究科 1A12 UO22+を含む溶融(Na-2Cs)Clの分子動力学計算
渡部 創 東京工業大学大学院理工学研究科 1A10 LiF-PbF2溶融塩の構造解析
長谷川茂樹 京都大学大学院エネルギー科学研究科 1B07 常圧アンモニア電解合成法のアノード反応に関する平衡論的検討
久保田哲郎 京都大学大学院エネルギー科学研究科 1B14 溶融塩電気化学プロセスにおけるTb-Fe合金薄膜の形成
第34回 2002.11.22 松浦治明 東京工業大学原子炉研究所 1A03 溶融(Li, K)F中における陽イオン内部移動度
黒田健介 名古屋大学大学院工学研究科 2B10 塩化物溶融塩からのZnTeのカソード析出挙動
坂村義治 電力中央研究所 1B09 溶融LiCl-KCl共晶塩中でのジルコニウムの挙動
笠嶋丈夫 京都大学大学院エネルギー科学研究科 2A06 溶融LiBr-KBr-CsBr中におけるグラファイトの電気化学的リチウム吸蔵・放出

*1 2008 Joint Symposium on Molten Salts 発表として。
*2 4th Asian Conference on Molten Salts Chemistry and Technology 発表として。
*3 2023 Joint Symposium on Molten Salts 発表として。

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