溶融塩奨励賞
2024年度溶融塩奨励賞 (第56回溶融塩化学討論会)
2024年11月29日に下記の2名の方が、厳正なる審査の結果、溶融塩奨励賞を授与されました。おめでとうございます。
- 西垣 勇飛 氏(京都大学)アニオン混合による高リチウム濃度電解質の開発とリチウム析出溶解挙動にアニオン種が与える影響の評価 (2A13)
- 陳 旻晟 氏(京都大学)濡れ性の良い多孔質保持材を用いたPbCl2-KCl-NaCl溶融塩中における液体Pbの高電流密度三層電解 (2B03)
溶融塩奨励賞について
平成13年(2001年)第146回溶融塩委員会役員会において、当時の山桝義和副委員長(石川島播磨工業)の提案により平成14年(2002年)から若手溶融塩研究者の活性化を目指して「溶融塩奨励賞」の設置について検討され、第147回溶融塩委員会・役員会において2002年11月開催予定の第34回溶融塩化学討論会から「溶融塩奨励賞」の授与制度が承認されました。溶融塩奨励賞は電気化学会溶融塩委員会により毎年1回開催される溶融塩化学討論会における講演発表に対し、優れた講演を行った若手研究者(40才未満)に対して、原則として各会場1名、合計2名に溶融塩奨励賞が授与されます。選考は、溶融塩委員会役員および当該討論会座長による投票となっています。
2008年開催の第40回溶融塩化学討論会は2008 Joint Symposium on Molten Saltsの共催シンポジウムの1つとして開催されたため、溶融塩奨励賞は、このシンポジウム中での講演・ポスタについて、選出をいたしました。学会の形式、発表の方法に口頭発表とポスター発表があるため、選出者数についても双方の発表形式で、討論会での参加者数を基準として、人数を算出し、7名の受賞者がきめられたものです。(実行委員会申し合わせ事項)
これまでの受賞者
討論会 | 受賞日 | 氏名 | 所属 | 発表番号 | 選考の対象 |
---|---|---|---|---|---|
第56回 | 2024.11.29 | 西垣 勇飛 | 京都大学 | 2A13 | アニオン混合による高リチウム濃度電解質の開発とリチウム析出溶解挙動にアニオン種が与える影響の評価 |
陳 旻晟 | 京都大学 | 2B03 | 濡れ性の良い多孔質保持材を用いたPbCl2-KCl-NaCl溶融塩中における液体Pbの高電流密度三層電解 | ||
第55回*3 | 2023.11.16 | 石尾 吉史 | 京都大学 | P04 | In-situ Raman spectroscopic analysis of the electrode/electrolyte interface in the sodium secondary battery utilizing FSA- based ionic liquids |
呉 聖安 | 京都大学 | P05 | Electrolytes and temperature effects on Na metal deposition/dissolution efficiency for low N/P ratio sodium metal batteries | 後藤 啓太 | 京都大学 | P59 | High-Temperature Water Electrolysis Using Molten NaOH-KOH-H2O System |
第54回 | 2022.9.30 | 布村 順司 | UACJ | 1A01 | イオン液体中でのAl-Cu合金アノードの溶解電位における精製Al純度 |
茂木 渉 | 京都大学 | 1B03 | 溶融KF-KCl-K2SiF6中における液体Zn電極を用いた結晶性Si電析:グラファイト基板上に電析で準備したZn膜電極を用いた検討 | ||
第53回 | 2021.11.19 | 関本 英弘 | 岩手大学 | 1A01 | LiF 系溶融塩と液体Ce の界面におけるチタン薄膜の生成 |
Di Wang | 京都大学 | 2B08 | An Inorganic Ionic Liquid and β”-Alumina Dual Electrolyte for Sodium-sulfur Batteries Operating at Intermediate Temperature | ||
第52回 | 2020.11.27 | 芹澤 信幸 | 慶應義塾大学 | 1A07 | リチウムイオンを含むアミド系イオン液体中におけるニトロキシラジカルの酸化還元反応 |
木澤 尭大 | 北海道大学 | 1A05 | TiCl4含有EmImCl-AlCl3イオン液体中でのパルス電解によって電析したAl-Ti合金の耐孔食性評価 | ||
孟 憲鐸 | 京都大学 | 2B04 | 溶融 CsF-CsCl-WO3中で得られる電析 W膜の平滑性および結晶構造に与える浴温の影響 | ||
森島 雅詞 | 同志社大学 | 2B09 | 溶融 LiCl-KCl中におけるNi基板上での窒化炭素被覆可能性の検討 | ||
第51回 | 2019.10.25 | 陳 致堯 | 産業技術総合研究所 | 1A08 | 室温水和物溶融体による長寿命亜鉛空気二次電池 |
鵜木 亮 | 京都大学 | 2B12 | 共晶 LiF-LiCl 溶融塩中でのチタン電析 | ||
第50回 | 2018.11.15 | 原口 靖史 | 北海道大学 | 2A08 | TiO2溶融塩電解還元のその場観察および電気化学測定 |
佐藤 建志 | 東北大学 | 1B11 | マルチステップパルス電解によるMoSi2被膜の形成 | ||
第49回 | 2017.12.1 | 木村 竣一 | 同志社大学 | 2A02 | 溶融LiCl-KCl中でのLa1-xSrxFeO3-δ電極の電気化学挙動 |
竹内 孝 | 京都大学 | 1B13 | Na+のみをカチオン種として含むNa電池用イオン液体電解質の開発 | ||
第48回 | 2016.11.25 | 法川 勇太郎 | 京都大学 | 1A04 | 易水溶性KF-KCl溶融塩中におけるTi(Ⅲ)イオンからの金属チタン電析 |
石井 良樹 | 新潟大学 | 1B02 | アルミノケイ酸塩ガラスの架橋構造のアルカリ/アルカリ土類金属イオン依存性 | ||
第47回 | 2015.10.29 | 神吉 恭平 | 神戸大学 | 2A02 | 炭酸塩/ケイ酸塩コンポジットの二酸化炭素吸収挙動と固相表面活性化による反応促進 |
本多 しおり | 北海道大学 | 1B03 | 密度の異なる炭素質カソードを用いたAl-Cl2燃料電池の出力特性 | ||
第46回 | 2014.11.14 | 竹田 修 | 東北大学 | 1A14 | 溶融塩電解を用いた珪化モリブデン対酸化皮膜の形成 |
杉山 啓太 | 東北大学 | 1B03 | 溶融塩電解による炭素電極へのSiCの形成 | ||
第45回 | 2013.11.21 | 大窪 貴洋 | 千葉大学 | 1A02 | 第一原理分子動力学法によるボルン電荷解析 |
夏井 俊悟 | 北海道大学 | 1A07 | 3次元マルチフェイズ型粒子法による溶融塩の流れの数値解析 | ||
島尾 武征 | 京都大学 | 1B08 | 溶融CaCl2中における液体亜鉛電極の電気化学的挙動 | ||
第44回*2 | 2012.9.24 | Zhongning Shi | Northeastern University | PS7 | Liquidus Temperature of LiF-LiCl-Li2O Melts |
阪井 祐子 | 北海道大学 | PS27 | Formation of Ag Alloy Particles in the Glass by Ion Exchange Treatment in Molten Salt | ||
髙栁 亮介 | 関西大学 | PS33 | Condition of Metal Fog Formation in LiCl-KCl Melt and Its Prevention by Li2O Addition | ||
Tziyi Wu | National Yunlin University of Science and Technology | PS41 | Electrochemical Characterizations of Cyclic Ammonium Based Ionic Liquids with Allyl Substituents | ||
第43回 | 2011.11.22 | 江口健一郎 | (株)白石中央研究所 | 1A09 | 炭酸カルシウムナノ粒子生成過程のその場観察 |
及川和彦 | 同志社大 | 1A04 | 溶融フッ化物におけるニッケルフェライトを用いた酸素発生反応 | ||
鈴木賢紀 | 大阪大学 | 1B08 | Quasi-chemical Viscosity Model を用いた多成分系溶融スラグにおける粘性の高精度予測 | ||
第42回 | 2010.9.9 | 大竹広野 | 北海道大学 | 1A08 | 溶融塩電解によるCO2ガスからの炭素生成 |
吉井一記 | 大阪大学 | 2A08 | 室温イオン液体-マグネトロンスパッタリング法を用いて調製した金属ナノ粒子 | ||
栗明明 | 東北大学 | 2B12 | 溶融LiCl-KCl中でのLiOHの電解 | ||
第41回 | 2009.11.19 | 松本一彦 | 京都大学大学院エネルギー科学研究科 | 1A03 | PO2F2系イオン液体の電解質としての性質 |
小西宏和 | 大阪大学大学院工学研究科 | 1B08 | 電気化学印プランテーション/ディスプランテーションを利用した希土類金属分離・回収プロセスの初期検討 | ||
津田哲哉 | 大阪大学大学院工学研究科 | 2A01 | 室温溶融塩を用いた電気化学アクチュエーターの作製とその動作原理の解明 | ||
大崎省吾 | 北海道大学大学院工学研究科 | 2B13 | CaCl2浴中でのCa還元によるTi-29Nb-13Ta-4.6Zr合金の直接合成 | ||
第40回*1 | 2008.10.23 | Christian SIMON | University Pierre & Marie Curie | 1C143 | Virtual pH-paper: a Method to Predict Hammet Acidity of Liquids from ab initio Molecular Dynamics |
小野新平 | (財)電力中央研究所材料科学研究所 | 3B170 | Low-power and Fast-switching Organic Field-effect Transistors with Ionic Liquids | ||
関 志朗 | (財)電力中央研究所 材料科学研究所 | 4C112 | Electrochemical Compatibility of Room-Temperature Ionic Liquid Electrolytes and Carbon-type Electrodes for High-Safety Lithium-ion Secondary Batteries | ||
橋詰二郎 | 北海道大学大学院工学研究科 | 1P008 | Solubility of CO2 Gas in the Molten CaO-CaCl2 | ||
右田 翼 | 慶應義塾大学大学大学院理工学研究科 | 1P024 | Thermoelectromotive Force of Some Redox Couples in an Imide-type Room-temperature Ionic Liquid | ||
Michal KORENKO | Institute of Inorganic Chemistry Slovak Academy of Sciences |
1P054 | Quadrate Nanotubes Made from Deeply under Cooled Cryolyte-Alumina Melts | ||
伊藤 輝 | 京都大学大学院工学研究科 | 1P065 | Cu-Sn Alloy Metallization of Polymer Substrate through Reduction-Diffusion Method Using Ionic Liquid Bath at Medium-Low Temperatures | ||
第39回 | 2007.11.30 | 中田義人 | 京都大学大学院エネルギー科学研究科 | 1B09 | イオン液体$2014水二相系の熱特性 |
助永壮平 | 九州大学大学院工学研究院 | 2A10 | RE-Mg-Si-O-N(RE=Y, Gd, Nd and La)系融体の粘度と構造 | ||
第38回 | 2006.11.29 | 小林篤志 | 同志社大学大学院工学研究科 | 1B06 | 溶融NH4F・2HF浴中におけるダイヤモンドの陽極特性 |
安田幸司 | 京都大学大学院エネルギー科学研究科 | 2A04 | 溶融CaCl2中における固体SiO2直接電解還元反応-電位-pO2-図を用いた反応メカニズムの検討- | ||
第37回 | 2005.11.25 | 平井信充 | 大阪大学大学院工学研究科 | 2A04 | 1-アルキル-3-メチルイミダゾリウム系常温溶融塩中におけるAu(100)単結晶表面のEC-AFM観察 |
内藤豪是 | 京都大学大学院エネルギー科学研究科 | 2B05 | 溶融塩化カルシウム電解によるTiCl4の還元 | ||
第36回 | 2004.11.26 | 島野 哲 | 横浜国立大学大学院工学研究院 | 2B05 | 溶融硫酸塩/炭酸塩中における一酸化炭素のレドックス燃焼 |
後藤琢也 | 京都大学大学院エネルギー科学研究科 | 1A09 | Si系環境半導体薄膜の電気化学的手法による新規な形成法 | ||
第35回 | 2003.11.14 | 高瀬桂一 | 新潟大学大学院自然科学研究科 | 1A12 | UO22+を含む溶融(Na-2Cs)Clの分子動力学計算 |
渡部 創 | 東京工業大学大学院理工学研究科 | 1A10 | LiF-PbF2溶融塩の構造解析 | ||
長谷川茂樹 | 京都大学大学院エネルギー科学研究科 | 1B07 | 常圧アンモニア電解合成法のアノード反応に関する平衡論的検討 | ||
久保田哲郎 | 京都大学大学院エネルギー科学研究科 | 1B14 | 溶融塩電気化学プロセスにおけるTb-Fe合金薄膜の形成 | ||
第34回 | 2002.11.22 | 松浦治明 | 東京工業大学原子炉研究所 | 1A03 | 溶融(Li, K)F中における陽イオン内部移動度 |
黒田健介 | 名古屋大学大学院工学研究科 | 2B10 | 塩化物溶融塩からのZnTeのカソード析出挙動 | ||
坂村義治 | 電力中央研究所 | 1B09 | 溶融LiCl-KCl共晶塩中でのジルコニウムの挙動 | ||
笠嶋丈夫 | 京都大学大学院エネルギー科学研究科 | 2A06 | 溶融LiBr-KBr-CsBr中におけるグラファイトの電気化学的リチウム吸蔵・放出 |
*1 2008 Joint Symposium on Molten Salts 発表として。
*2 4th Asian Conference on Molten Salts Chemistry and Technology 発表として。
*3 2023 Joint Symposium on Molten Salts 発表として。